研究課題
基盤研究(C)
本研究は、12世紀後半のアルプス以北における教会法学の生み出さした諸著作の成立過程および写本伝承ならびに派生著作の分析を通じて、「12世紀ルネサンス」の重要な成果である教会法学の発展とその地域的特色の有無を精密に理解しようとするものである。具体的には、1160年代から1180年代にかけてパリを中心とする地域で生み出されたグラティアヌス教令集註釈書を対象とし、現存写本の詳細な分析を行うとともに、パリの先行著作および他地域で成立した派生著作との精確な比較を通じて、複数の中心を持つ教会法学の発展の具体像を描くことを試みる。