研究課題
基盤研究(C)
法を理性とみなす立場から感情は排除される。例えば以前ではフェミニズム運動、近年でもLGBTQや遺骨返還を訴えるアイヌのような社会的少数者の声は感情的とされ、法的問題として適切に扱われてこなかった。本研究では、社会的少数者が自らの権利利益を確保し得るため、法と感情をめぐる適切な理論枠組を構築する。具体的には、法感情の思想源流としてドイツの法思想を参照しつつ〈法感情〉の法理論を示すとともに、この〈法感情〉の法理論が法秩序の正当性を補完し民主主義の正統性を充足することを示す。本研究の結果、少数当時者に必要な、感情を適切に捉えた法概念が得られることになる。