| 研究課題/領域番号 |
24K04505
|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
|
| 研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中村 民雄 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90237412)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
| キーワード | サステナビリティ / CSDDD / サプライチェーン / 環境 / 人権 / 契約 / グローバル / 私法 / 強行規範 / 統制 |
| 研究開始時の研究の概要 |
企業間契約で構築されるグローバルなサプライチェーン(供給網)が引き起こす、労働や環境の公益的規制の失敗を、私人間の契約や関係する私人間の自主規制を通して実効的に是正すべく、EU法を手掛かりに、越境的に通用する私法強行規範(公序良俗等)であって、同時に、国際法や各国の規制法(公法)とも整合するような私法上の規範を探ろうとする研究である。
|
| 研究実績の概要 |
本研究は、企業間契約で構築されるグローバル供給網が引き起こす、労働や環境の公益的規制の失敗を是正すべく、いかなる法を整備すべきかという大きな問題関心のもとで、とりわけ私法の分野でいかなる法的規律が可能かつ実効的かを考えるものである。 手始めに、その一例であり現段階で最も影響力がある事例と思われる、EUのCorporate Sustainability Due Diligence Directive(CSDDD, 企業サステナビリティ配慮義務指令)を検討することにした。2024年採択のこの指令については、2024年度の前半において基本理念・主要規定の整理を終了した。それを踏まえて、次にその指令に即して、グローバル供給網をもつアパレル業界のブランド企業が現実に東南アジアや南アジアでのサプライヤーとの契約を結んだと想定して、果たして現実の労働法・人権法上の問題(児童労働、強制労働、劣悪な職場環境での長時間労働等)を契約上の義務でどれほど実効的に規制できるかを現地の紛争や法制度の実効性も考慮して、検討する作業を行った。 以上の研究成果にもとづき、英文で本の一つの章となる論文("Corporate Sustainability Due Diligence concerning Restrictive Measures against Serious Human Rights Violations and Abuses, as a model for ASEAN?")を書き、編集者に提出した。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
EUのCSDDD(企業サステナビリティ配慮義務指令)について、研究期間の開始とほぼ同時に公式に採択されたため、研究の第一歩として詳細に分析することができた。もっとも、2025年に入りその出発点がさらに修正されつつあるため、今後もEU法としての基本となるCSDDDやCSRD(企業サステナビリティ報告指令)の改正動向を注視しつつ研究する必要がでてきた。 この背景には、米国のトランプ政権の企業サステナビリティ配慮義務や企業行動の環境に対するインパクトの報告義務に対する、EUとは正反対の緩和的な態度がある。そのため世界市場の企業競争においてEU諸国の諸企業のみ重い法的義務を課される不平等が生じることになった。そこでEU内の諸企業もEU諸国もEU機関に対して、CSDDDやCSRD(企業サステナビリティ報告指令)の実施延期や、大企業のみの適用(中小企業の適用免除)や、企業のサステナビリティ配慮義務違反に対してEU統一的な法的責任を課すことの見直しを求めるようになった。そのため、一旦は採択されたCSDDDやCSRDの義務緩和的修正案が2025年に入って欧州委員会から提出されるに至っている。このように本研究に関するEU法は2025年においても再修正される可能性があるため、注視を怠れない。 もっとも、その修正提案においても、根幹となる原則や政策の基本線は変更がないため、本研究においてもEU法が関連性を失うことはない。以上から、「おおむね」順調と評価している。
|
| 今後の研究の推進方策 |
2025年度は、第一に、EUがCSDDDやCSRDを改正する動きを見せているので、それをフォローする。第二に、EUが経済連携協定等を通して、サプライチェーン上のサステナビリティ規制を貿易パートナー国にも共有させ普及させる側面の研究として、①日本とEUの間の政府間対話において具体的な政策措置の展開の有無・ある場合の内容・日本国内法の整備の有無といった点を調査する。②時間があれば、EUーニュージーランド間の経済連携協定のNZ側での具体的な実施策の有無についても調査を進めたい。
|