| 研究課題/領域番号 |
24K04528
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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| 研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
柴田 尭史 追手門学院大学, 法学部, 准教授 (30779525)
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| 研究分担者 |
宮村 教平 佛教大学, 教育学部, 准教授 (40802864)
前硲 大志 関西学院大学, 司法研究科, 准教授 (50845336)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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| キーワード | 憲法 / 議会法 / 規範定立学 / 立法学 / 行政 / 議院規則 / 行政による規範定立 / 行政法 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、議会と政府による政策実現プロセスを「法が多段階的に定立されるプロセス(法の多段階的定立プロセス)」として把握したうえで、このプロセス全体を合理化する規範構造を考究するものである。こうした法の多段階的定立プロセスについて、その各段階における法定立の合理性を担保するための制御構造を法的観点から明らかにし、そのうえで、多段階的プロセスの全体がどのように連動するものとして構造化されているのかを解明する。そこで、本研究では、同一の視座からの議論がすでに蓄積されつつあるドイツ公法学における議論と比較することで、法学の観点から法の多段階的定立プロセスの制御構造を分析する。
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| 研究実績の概要 |
本研究は、議会と行政による規範の定立のプロセスを分節化しつつそれぞれ検討したのち、それらを統合的に研究するものである。その際、議会による規範の定立については、議会内部における規範の定立(議事規則の制定)と議会による規範の定立(法律の制定)に分けて研究している。 まず、議事規則の制定については、主に研究分担者の前硲大志准教授が担当している。前硲准教授は、24年度に、議事規則における議員と会派の(形式的)平等の問題を取り上げ、議事規則の問題を検討した。その成果の一環として、ドイツ憲法判例研究会で判例研究として報告し、25年度に公表される予定である。 次に、法律の制定については、主に柴田が担当し、現行法律の改廃をめぐる議会による法律に関する自己コントロールの問題を検討した。それと並んで、研究分担者の宮村教平准教授が、現代国家における法律(の留保)の意義の問題を検討した。その結果として、上記研究会で判例研究として報告し、また別の研究でも報告した。これらの業績は、25年度に公表される。 最後に、行政による規範定立の問題については、宮村准教授が担当している。ドイツにおける「法」の体系化の視点、法秩序の構成部分としての「命令」の位置づけを検討した。 また、全体的な議論状況は、柴田が中心となって、24年9月に来日したクリスティアン・ヴァルトホフ教授にインタビューし、ドイツにおける議論状況、および基礎文献の改版情報も得られた。また、ドイツの議事規則の現代的問題について、9月4日にヴァルトホフ教授の講演会を開催し、本研究の一環を学界に還元した。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である24年度の研究の進捗状況については、「おおむね順調である」と評価できる。それは以下の理由からである。 まず、国内における研究について、代表者・分担者ともに、当初の申請計画に基づいて、規範定立の各プロセスにおける具体的な問題を検討し、定期的に業績として公表できているからである(各業績の具体的な情報については、後述)。 また、ベルリン・フンボルト大学法学部で立法学の講座を担当し、議会実務と強固な関係を有しているヴァルトホフ教授には、申請時点で来日を要請していたが、当初の予定では来日は2年目以降であった。しかし、初年度にヴァルトホフ教授を大阪に迎えることができた。このことによって、代表者・分担者は、本研究の比較対象であるドイツにおける規範定立学の議論状況や文献について、最新の情報を得ることができ、また研究途上であったが、代表者・分担者のもつ問題意識に基づいて質問することができた。また、ヴァルトホフ教授に今後の協力を仰ぐことができた。さらに、ヴァルトホフ教授に講演を依頼し、「ドイツのための選択肢(AfD)」の議席獲得に端を発して、ドイツにおいて(とくに州議会の)議事規則が、どのような問題に直面し、それに対してどのように対処され、検討されているのか、について報告を受けた。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究の2年目は、上述のように分節化されたプロセスが、どのように(憲)法的に制御されているのか、をとくに検討する。 議会内部における規範の定立の問題については、議事規則の制定にあたって、「全国民の代表」という憲法上の要請がどのように影響するのか、を中心に検討する。次に、議会による規範の定立の問題については、権力分立や基本権といった法治国原理の内容がどのように政治を拘束し、法律に具体化されるのか、を検討する。最後に、行政による規範定立については、命令制定過程における理由提示義務についての資料の分析を進め、命令制定手続の構造を解明する。研究の分担は、24年度と同様である。 また、国内における研究と並んで、本研究の代表者と分担者がドイツを訪問し、ドイツの立法学・議会法の現状について、日本で行った文献収集では手に入らなかった文献をさらに収集するとともに、規範定立を巡る議論において当事者の意識レベルのものが必ずしも文献で書かれているわけではないことから、文献では十分に把握できない内容について、ドイツの研究者や実務家に意見を聴取する。これにより、本研究の代表者と分担者がドイツの立法学・議会法の現状について、文献では必ずしも表れてこない潜在的な思考や共通了解、慣習、現在進行形の課題とその背景をより正確に把握する。その際、立法実務と学説との距離にも注意を払う。そのために、研究者だけでなく、実務家へのインタビュー調査も必要となる。それゆえ、本研究を遂行するうえでは、研究者だけでなく、立法実務に携わる職員とも交流する。
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