研究課題
基盤研究(C)
憎悪や敵意が煽動されることにより,重大なヘイトクライム事件が立て続けに起こっている日本の状況にかんがみ,憎悪を煽動するタイプのヘイトスピーチの規制を3つの局面(①マイノリティの身体の安全等の個人的法益を根拠とした規制,②公共秩序等の社会的法益を根拠とした規制,③職場等において違法な環境型ハラスメントを構成することを理由とする規制)に分けて検討する。この検討により,煽動型ヘイトスピーチへの対抗手段として,状況に応じて,刑事規制,政府言論,民法等による措置を使い分けるべきことを示す。考察においては,多くの憲法学者が支持する表現の自由法理との調和に配慮する。