研究課題
基盤研究(C)
戦前日本の立憲主義が崩壊する契機となった天皇機関説事件は、「知識人たちの反知性主義」によって引き起こされたものであった。けれども、立憲主義が「知的階層」の存在によって支えられているのだとすれば、天皇機関説事件には近代日本の立憲主義が抱える困難が鮮明に表れていることになるだろう。そこで本研究では、天皇機関説事件を「学問と社会」の関係という観点から検討することを通じて、近代日本の立憲主義がどのような困難を抱えているのかを検証し、それによって、日本社会に未だ立憲主義が定着しない要因を明らかにしたいと考えている。