研究課題
基盤研究(C)
本研究は、地域・住民・団体をめぐる行政事象と法事象を把握し、この三要素を一体として規律しうる枠組みを模索し、地方自治法理論の刷新の可能性を追求する。例えば、自治会・町内会は、地方公共団体内部の「地域」を基礎とし、当該地域に居住する「住民」の相当数を現に構成員とする領域的「団体」であるが、当該地域に居住する者すべてを(強制的に)構成員とはなしえず、当該構成員に公共的活動を行わせうるものではなく、当該地域内の他の団体に優位するわけでもない。地域と住民、住民と団体、地域と団体はそれぞれ緊張関係に立ちうる。こうした複雑に絡み合った論点を解きほぐし、三要素に通底する軸や相互の関係付けを解明したい。