| 研究課題/領域番号 |
24K04554
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
内記 香子 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90313064)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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| キーワード | グローバルバリューチェーン / サステナビリティ / サーキュラーエコノミー / トレーサビリティ / 透明性 / デジタル製品パスポート / バッテリー / ビジネスと人権 |
| 研究開始時の研究の概要 |
現在グローバル・バリューチェーン上の労働・環境課題をめぐる規整については、多層的な規範が存在している。各国の契約法、国家法による規制、そして国連ビジネスと人権指導原則などである。本研究は、自由貿易協定の締結などを通じてグローバル・バリューチェーンの構築を「促進」してきた国際通商法が、バリューチェーンをどのように「規整しているのか、あるいは規整すべきか」を検討するものである。これまで国際通商法も、貿易レジーム内で非経済的諸価値の推進に取り組んできたが、本研究では、「バリューチェーン」概念の国際的な広がりにより、国際通商法にどのような変容が迫られているのか、検討する。
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| 研究実績の概要 |
今年度は早速、5月の世界法学会で「グローバル・バリューチェーン・ガバナンスと国際通商体制ー人権・環境課題とテクノロジーの展開」というタイトルで学会報告を行い、それを元にした論文「グローバル・バリューチェーン・ガバナンスとデジタル技術の活用ー国際通商体制へのインパクト」を執筆、学会誌(世界法年報)に掲載された(2025年3月)。 研究1年目は、「グローバル・バリューチェーン」概念の規範的機能の分析をすることとなっており、バリューチェーンの「統治(ガバナンス)」の議論の変遷について検討する計画であった。概念の分析にあたり、新しく、バリューチェーンの概念と、サーキュラーエコノミーの概念の関係性という分析の視点を得て、単線的なバリューチェーンから、ループが閉じる形へ概念が変遷している可能性について検討した。またそうした背景には、ブロックチェーンといったテクノロジーを活用して関連アクター間で情報の追跡および共有ができるようなプラットフォーム作りが進んでいることについても調査した。 具体的には、EUのサーキュラーエコノミー政策に着目し、バッテリーの生産、消費、回収のループにおける情報追跡・共有制度(バッテリーパスポート)の現状を、EUにおける実施状況と、日本の産業界への影響に分けて検討することも行った。バッテリーはEUにおける先行ユースケースであり、将来的には製品分野ごとにデジタルパスポートが作られることが予定されていることから、他分野への拡がりの可能性についても調査した。その途中経過を、一橋大学EU法研究会において「バッテリーパスポートおよびデジタル製品パスポートの国際通商へ与える影響と課題」というタイトルで研究報告を行う機会も得られた(2025年1月)。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究報告や論文執筆の機会が1年目から得られたことは貴重な経験となった。また、バリューチェーンの概念とサーキュラーエコノミーの概念の関係性という新たな分析の視点を得られたことは、研究のスコープを広げることとなって有益であった。具体的には、予定していたEUにおける「ビジネスと人権」の動きだけでなく、EUのサーキュラーエコノミー政策についても調査対象として、バッテリーパスポートとデジタル製品パスポートの展開を事例として調査することができた。それによって、情報の追跡・共有をめぐるテクノロジーによる概念の変遷という観点で、新しい検討を進めることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
ひきつづき、EUのサーキュラーエコノミー政策の実施状況と日本の産業界への影響について調査することが本研究にとって有益だと考えている。バッテリー生産および回収に関する情報の追跡・共有という事例に関しては、EUとの国境を越えた情報共有の可能性についてテクノロジーの進展の観点から調査をおこなう。また、プラスチックの事例についても検討に加えることも考えている。プラスチック包装や自動車プラスチックを、消費後に回収するための制度作りがEUで進んでいることから、EUの現状を調査すると共に、それが日本の産業界の動向および政府の政策にどのような影響を与えているのかについても、情報の追跡と共有をめぐるテクノロジーという視点で分析対象としていきたい。
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