| 研究課題/領域番号 |
24K04558
|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
|
| 研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
石川 義道 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (90749061)
|
| 研究分担者 |
萬歳 寛之 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (10364811)
張 博一 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (70634020)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
| キーワード | 経済的威圧 / WTO / 国家責任法 / 国際経済法 / トランプ政権 / 集団的対抗措置 |
| 研究開始時の研究の概要 |
近年、自国の地政学的な目的を達成するために貿易制限等の経済的な手段を用いて他国に圧力をかける「経済的威圧」への懸念が高まっている。それに対抗するために、有志国による集団的な経済措置の導入に向けた検討が現在行われている。しかしながら、かかる措置の導入は、世界貿易機関(WTO)に関する国際経済ルールや国家責任法との関係で問題を引き起こす可能性がある。そこで本研究は、集団的な経済措置を導入するに際して生じうる国際法上の諸問題について包括的な検討・分析を行うものである。
|
| 研究実績の概要 |
本研究は、近年国際社会で懸念が高まる経済的威圧への対応として、有志国による集団的な経済措置が国際法上どのように評価されうるかを明らかにすることを目的としている。2024年度は、当初の研究実施計画に沿って、文献研究と意見交換を中心とした基礎的な調査を進めた。2024年8月に、研究代表者および研究分担者による内部研究会を開催し、作業の進捗状況を共有するとともに、研究の方向性に関する意見交換を行った。また、後述の「研究発表の入力」でも詳述されるが、研究成果の一部は雑誌論文、学会発表、図書、Web記事等の形で公表されている。 2024年10月には、本科研費の研究分担者である萬歳が中心となって、早稲田大学において日中韓3ヶ国の国際法学者によるクローズドの会合が開催され、研究代表である石川はUnilateral Responses to Economic Coercion in the WTOと題する報告を行った。ここでは、経済的威圧に対する一方的対応のWTO体制における位置づけについて検討を行い、参加者との間で積極的な議論が交わされた。この会合は、クローズドのかたちで開催されるため、本科研費の研究対象に含まれる中国の政策について、直接、中国の有識者たちと意見交換をし、これに対する隣国の韓国の反応を知ることのできる貴重な機会であることが分かった。そのため、2025年度も引き続き、本会合で意見交換をすることが予定されている。さらに石川は、トランプ第二次政権発足以降に顕著化している経済的威圧の動向に注目し、WTOルールとの関係性について英語によるオピニオン記事をWeb上に投稿するなど、タイムリーな発信にも努めた。 以上の活動を通じて、本研究課題における「理論と実践の架橋」という中心的な問題意識に基づいた基礎的な研究を着実に進めるとともに、国際的な研究ネットワークの構築を図ることができた。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に基づき、文献調査および研究会開催を通じて研究の基盤を着実に構築している。特に、2024年度は国内外の研究者との意見交換が実現し、研究の方向性を確認することができた。また、成果の一部は論文として公刊され、学会発表も行うなど、対外発信も進んでいる。2年目以降の展開に向けた下地は整っている。
|
| 今後の研究の推進方策 |
今後も、引き続き当初の研究計画に沿って研究を進めていく予定である。すなわち、2025年度(研究期間2年目)には、海外の国際法学者との意見交換を含む研究会を実施し、資料分析および対外的知見の収集を一層深めていく計画である。また、WTO関係者へのインタビューも行い、WTOが機能不全に陥る中での経済的威圧についての国際的な認識や対応の実態把握を進める。 ただし、2025年1月に発足したトランプ第二次政権の下で、経済的威圧の定義や手段に関する国際的理解には変化の兆しが見られる。実際、研究代表者が英語で発信したWeb記事でも触れたように、「相互関税」に代表される一方的な通商措置が、今後も米国によって実施されていく可能性がある。こうした動向を踏まえ、本研究においても、当初の理論枠組みを基礎としつつ、経済的威圧の射程や制度的応答のあり方について柔軟な再検討を加えていく必要がある。
|