研究課題
基盤研究(C)
本研究は、死因に関する専門家証言の法的位置付けや意義、限界を明確にすることによって、刑事裁判における死因認定をめぐる冤罪防止策を提示しようとするものである。近時、偽装自殺による殺人・保険金詐取事件や密室での児童虐待死事件、介護施設における殺人事件、死因の誤りを原因とする再審事案が散見される。そこで本研究では、ドイツの検視制度を対比させながら、専門家証言の客観性を確保するための方策を提示し、さらに死因をめぐる専門家の鑑定意見と推測事項にわたる供述の限界を探る。これらの課題について一定の指針を与えることで、死因が争点化した刑事裁判が誤判・冤罪事例とならないようにするための方策を提示する。