所有者不明土地発生の要因の一つとしては、現行不動産登記制度において、土地の長期占有者が、当該土地の時効取得による所有権取得の登記を実現する場合、当該土地の所有権登記名義人と時効取得者の共同申請を原則とするため、所有権移転登記について登記名義人の手続への協力を得られず、時効取得登記実現の限界が存する点にある。そこで、理論的観点、比較法的観点から、土地の時効取得の登記について、原始取得を表す権利「発生」の登記を新たに創設するとともに、当該登記について時効取得者による単独申請の方法を導入することについて法的・理論的見地から研究する。
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