| 研究課題/領域番号 |
24K04608
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 康紀 名古屋大学, 法学研究科, 准教授 (50756632)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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| キーワード | 物の用法 / 用法 / 財 / 物 / フランス法 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、土地をはじめとする財産の利用・管理を、一方で促進し、他方で同時に統制するための法的枠組みを構築するために、物を何のために・どのような仕方で利用又は管理するのかを捕捉するための法的概念として、フランス法由来の「用法」(desitnation)概念に着目し、①「用法」は何によって定まるのか、という用法の決定要因・機序と、②「用法」は何を定めるのか、という用法の法規範的意義・機能とを探求する。
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| 研究実績の概要 |
「用法」は、日本においてもフランスにおいても、実定法上(少なくとも潜在的には)様々な領域に遍在する概念であり、その分だけ、その構造が多元的でありうるという予測の下で研究を進めている。そのため、本来は識別すべき問題の不用意な混同を避けるために、(「用法」概念の一般理論を抽出することを試みた先行研究を読み進めつつ、他方で)「用法」概念が作動する具体的な領域を特定し、それぞれの領域についての基本的理解を押さえることに努めた。 「用法」概念が、一般的に、物の使用態様を指示する機能を有する以上、それはフランスに言う財の法の問題全体に関わる。そこで、9月からフランス滞在を開始し、まずは、財の法の系統的な勉強に取り組み、その結果、物、所有権及び用益物権に関わる具体的諸制度それぞれにおいて「用法」概念が作動していることを確認した。中でも、2024年に民法典中に立法された、近隣妨害にかかる民事無過失責任の規定において、土地上で展開される「活動」の「条件」が有責性の判定基準となっていることを知れたのは、(「用法」が明示的に問題となっているわけではない以上、本研究の題材に加えるべきか自体につき慎重な吟味を要するが、その限りで)予想していなかった新たな論点の発見であったといえる(かくして民事責任法も関係領域たりうる)。 さらに、「用法」概念の機能が期待される重要な局面の一つとして、財産を共同利用・共同管理するという局面があるが、そのような局面を生じさせる主要な要因の一つが家族財産であることから、家族財産法(相続法及び夫婦財産制)についても、問題の正確な脈絡を理解するのに必要な基本を押さえるべく、系統的に勉強した。 以上の作業そのものは、本研究にとって前提となる土台を固める上での回り道であって、新奇性を有するものではない。かくしてこれらを切り離して何か公表するということには至っていない。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
まずは初年度に、「用法」概念の分析に直結する先行研究を読み終え、議論の全体像を仮設し、検討すべき素材の整理を行うことを目指していたが、それは叶わなかった。もっとも、それは、「研究実績の概要」に記した通り、概念の抽象的な分析から導き出される一般的な理論(を活用するのはよいが、それ)に無批判に引きずられる前に、その概念の足場となる具体的な制度に対する正確な認識が不可欠であるとの考えに基づく、いわば両面作戦を採ったことの結果であって、後者の作業も当初よりいずれ行う予定であったことから、計画の変更はなされたものの、総合的に見れば、悲観すべき事態は生じていないと考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
「用法」が関係する具体的諸制度についての基本を押さえる作業と並行して、「用法」概念の分析に直結する先行研究を読み進めるという両面作戦を継続する。次年度の目標としては、一方で、人の意思に基づく用法決定を支える法的装置である法律行為(契約)について、用法決定と関わりうる問題を中心として、基本を押さえることに努めたい。他方で、先行研究を読み終え、議論の全体像を仮設し、検討すべき素材の整理を行うという(当初は最初に行うことを想定していた)ステップに一区切りを付けたい。
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