研究課題
基盤研究(C)
本研究では日中戦争期における中国共産党が、急速な党員の増加にもかかわらず、堅固な党組織を維持し、党員を管理することによって組織的拡大を実現し、日中戦争の後半において影響力を発揮できたのはなぜなのかを解明する。その際、中国共産党が日中戦争の後半においてその影響力を増して中国国民党と並ぶアクターへと成長し、支配領域における持続的な実効支配を確立した要因を、従前言われていた政治工作の巧みさに求めるのではなく、その政治工作に実効性を伴わせる基盤としての組織の数的拡大と質的強化に求め、従前から用いられてきた国民党や日本軍の調査資料に加えて、共産党自身の文書に依拠して分析・解明をおこなう。