日本は第一次世界大戦から1937年まで、英米の国家総動員をモデルとして総力戦への準備を進めてきた。またそのことを英米はほぼ正確に理解していた(森靖夫『「国家総動員」の時代』)。それでは、国家総動員法が発動されて以降、本格的に総力戦に突入した日本の戦時体制を英米はどのように観察したのか。言い換えれば、同時代の英国人や米国人が日本の戦時体制を世界的な動向のなかでどのように位置づけていたのか。本研究は英米の史料を駆使してその問いを解明することで、日本の国家総動員体制と英米のそれとの類似点や相違点を明らかにし、ひいては日本の国家総動員体制をグローバルな文脈から比較史的に再検討する。
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