近年の東アジアにおいて、「経済的相互依存の武器化」が「新しい常態」として現れている。これはこの地域の長い平和を説明する商業平和理論(Commercial Peace Theory)の限界を示唆する。例えば、FarrellとNewman(2019)は、日本の対韓輸出管理厳格化に関して、日本が韓国の核心的産業にトランプ方式の「貿易の武器化」を実施したと論じた。 本研究では、経済安全保障の観点から日本の対韓輸出管理厳格化をめぐる日韓の国内政治過程を分析し、対立が激化した要因を明らかにする。特に、経済と安全保障の関係がどの程度関連しており、具体的なメカニズムがどのように機能しているのかを明らかにする。
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