本研究の目的は、成果主義社会がもたらされる格差社会における成功を収めた人に対する社会選好のメカニズムを経済実験を用いて解明することにある。経済実験の一段階目、被験者が直面するタスクは現実社会で発生する各々の生活問題と極めて近い問題を再現することで、被験者間に不平等な環境を内発的に生じさせる。実験の二段階目に、不平等な資源分配に対する態度や選好を被験者の選択行動から直接的に測定する。期待できる成果としては、日本国内での社会的包摂問題への応用、また今後のダイバーシティ社会における経済格差への含意について政策的インプリケーションの提示等々明らかにすることである。
|