| 研究課題/領域番号 |
24K04939
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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| 研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 祐一 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00243147)
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| 研究分担者 |
工藤 健太 明治学院大学, 経済学部, 助教 (00980252)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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| キーワード | 利子率の期間構造 |
| 研究開始時の研究の概要 |
日本銀行によるイールドカーブ・コントロール政策は、長期金利全体を押し下げ、緩和的な政策効果を発揮することを目的としていた。政策の実効性を高めるために、10年物国債金利の上限値が設定され、指値オペによる追加的な国債買い入れにより上限値が維持されていた。しかし、指値オペの買い入れ対象は10年物国債に限定されていたため、10年物と20年物の国債金利間にミスプライスが生じ、金融政策が効果を十分に発揮できていない可能性が指摘されていた。本研究では、この可能性を検証することで、日本銀行による非伝統的金融政策が、10年物国債金利とそれ以外の長期金利に異なる影響を及ぼしていたのかを明らかにしたい。
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| 研究実績の概要 |
日本銀行によるイールドカーブ・コントロール政策がもたらした10年物国債金利とそれ以外の長期金利の間のミスプライスの有無を検証し、それが金融政策に与えた影響を明らかにすることが本研究の目的である。令和6年度は、金融政策の効果を検証した文献を展望しながら、本研究で用いる分析手法および国債金利データについて考察した。先行研究を展望したところ、イールドカーブ・コントロール政策を含むゼロ金利政策が実施された期間とそれ以外の期間において、経済の不確実性がマクロ経済変数に与える影響について比較する研究が数多く行われている。前例の少ないCOVID-19や米国の関税政策導入等によるショックは、これまで想定されてきた不確実性の程度を高めている可能性が高い。このようなマクロ経済全体に影響する高い不確実性が、マクロ経済変数に対してどのような影響を持つかを明らかにすることは、金融政策の効果を計測するうえで重要である。なぜなら、不確実性の増大により、経済変数に対するマイナスショックの影響が増幅されているとすれば、それを緩和するためには、より大規模な政策や不確実性を抑えるための政策を導入する必要があり、政策規模や政策手法に対して重要な示唆を与えるためである。また、長期金利の計算方法に関する展望から、国債金利データとして、利用可能性の高い複利最終利回りに加え、複利最終利回りから近似されたスポットレート、そして国債価格などのデータを用いて逐次的に計算されたスポットレートの3種類の長期金利を実証分析に利用することが、推定結果の頑強性の観点からも重要であることを確認した。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
令和6年度においては、文献展望により、経済全体に影響する不確実性が、マクロ経済変数に対してどのような影響を持つかを明らかにしたうえで、金融政策の効果を計測することが重要であるという整理を行った。そして、それを分析するための推定モデルと推定方法についての方向性も固めた。また、国債金利データについても、複利最終利回りデータおよびそれらにより近似されたスポットレートデータの計算作業は完了した。令和7年度においては、複利最終利回りデータおよび計算が完了している近似スポットレートを用いた金融政策の効果を検証し、国債価格などのデータを用いたスポットレートの逐次計算を進める予定である。令和7年度の研究内容も具体的に詰めることができており、研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和7年度においては、複利最終利回りデータおよび計算が完了している近似スポットレートデータ、マクロ経済変数や経済の不確実性指標等のデータを用いて、先行研究の推定方法を応用することで、金融政策の効果を検証したい。検証結果が得られた後は、その結果を他国の先行研究と比較し、日本の金融市場および金融政策について特徴的な含意が得られるかどうか検討したい。そのうえで、導出された含意について、日本銀行等の政策関係者と意見交換したいと考えている。また、論文としてまとめることができれば、国内外の研究会や学会で報告し、意見交換することで研究の完成度を高めていきたい。また、大阪大学で利用可能なデータベースを活用し、国債の価格および銘柄情報等のデータを収集し、スポットレートの逐次計算を進める予定である。この作業により得られたデータを利用し、同様の分析を進め、分析結果の頑強性を高めていきたいと考えている。
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