研究課題
基盤研究(C)
本研究は、文化大革命期の農民の移動現象を、同時期における農村間の格差拡大と結びつけて考える。つまり、豊かな農村の労働力不足と貧しい農村の労働力余剰が、農村間の出稼ぎを発生させたのではないかという仮説を検証することが、本研究の目的である。また本研究は文革期を、人流抑制という計画経済の原則がほころび、市場メカニズムが胚胎した時期として捉える。そして従来、沈滞する文革期と発展する改革開放期というように対比されてきた両時期のなかに、連続性を見いだしうることを立証したい。