研究課題
基盤研究(C)
本研究は,1914-39年東京・大阪・仁川日次先物米価の分析から内地中央市場間及び内地・植民地間の価格連関を考察し,両大戦間期の植民地産1次産品移入拡大で生じた内地商品市場の変容過程を実証的に捉える。戦前期米穀市場の価格メカニズムについて,(i)東京・大阪と朝鮮の主要米穀市場であった仁川を考察対象に設定し,(ii)日次価格データの利用によって分析を精緻化し,同時に(iii)各個別取引主体の取引動向を取引所内部史料より考察する。以上の方法によって定量分析と記述史料による定性分析を接合し,植民地産1次産品流通拡大期における内地商品市場の質的変化とその要因を各個別取引主体の行動変化から理解する。