研究課題
基盤研究(C)
杉原薫は,西洋型と東アジア型の異なる発展径路の共存と融合に20世紀後半以降における世界経済の成長要因を求めた。アジア太平洋貿易は,文化的属性が異なるウェスタン・オフシューツとアジアの生産者・消費者を結びつけ,発展径路の融合を促す因子である。それでは,誰が,どのようにして貿易を拡大させたのだろうか。本研究は,グローバル・ヒストリーの研究領域で提起された世界経済の成長に関するこの定理を,商社史研究の手法で実証する。日本の総合商社とその機能を明らかにする本研究の知見は,杉原が提起する「複数径路融合説」の検証に際して,基本的な情報源の1つとして活用されうる。