本研究では、組織が問題を発生させた後の調査報告を通じた組織と社会のかかわりに焦点を当てる。より具体的には、以下の問いに答えることを目的とする。 1) 調査報告がどのように行われるのか(タイミング、メンバー構成など)? 2) どのような内容が記載されるのか、または記載されないのか? 3) 社会がどのように受け入れるのか? 4) 組織がどのように対応するのか? 本研究では、各種報告書に記載された内容を「事実」とみなすのではなく、何が「事実」であるかに影響を与えるように報告書を作成した主体の立場が反映されたストーリーととらえる。これにより、問題の発生が組織変革の契機になる要件を明らかにする。
|