研究課題
基盤研究(C)
コンプライアンス研修は現場で働く社員にやらされ感を生むとされ、不正抑止を企図したコンプライアンス推進体制は上から目線と評される。現代の経営に埋め込まれたコンプライアンスの制度がなぜこうも疑問視されるのか。本研究は、これまでに発表された不正発生メカニズムに関する研究を網羅的に調査したうえで、企業におけるコンプライアンス運用上の課題や改善点を臨床的な観点から洗い出し、「行動倫理学」や「行動実態を踏まえたコンプライアンスの制度設計(Behavioral Compliance)」研究の成果を取り込んで、「背に腹は代えられぬ」とばかりに不正な行動を選択する複雑な人間心理を理論的・実証的に明らかにする。