| 研究課題/領域番号 |
24K05229
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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| 研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
青木 宏之 香川大学, 経済学部, 教授 (00508723)
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| 研究分担者 |
石川 公彦 沖縄大学, 経法商学部, 教授 (00440173)
渡部 あさみ 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10723033)
鈴木 誠 長野大学, 企業情報学部, 教授 (80780973)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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| キーワード | 人材育成 / 地方圏 / 中小企業 / 雇用システム / 人材形成 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、岩手県、長野県、香川県、沖縄県の4県の合計8つの産業の人材形成の現状と課題を明らかにする。多様な中小企業の取り組みを類型化し、帰納的に仮説を構築する。 研究対象として、4県の地場産業と戦略産業を取り上げる。地場産業では伝統的な人材形成の方法、戦略産業では新しい方法を観察できる可能性がある。焦点を当てるのは現場と経営戦略をつなぐミドル人材、および研究開発、DX、国際業務などの業務を担う専門人材である。それらが、今後の地方産業の発展において特に重要な役割を果たすと考えるためである。
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| 研究実績の概要 |
2024年度は、調査対象の選定、調査の実施、理論枠組みの構築などを進めた。 すなわち、岩手県、長野県、香川県、沖縄県の産業史を検討したうえで、当該地域を代表すると考えられる戦略産業および伝統産業に関わる企業・団体を調査対象として選定し、調査依頼を進めた。岩手県では機械加工メーカー、長野県では精密機械メーカー、香川県ではエレクトロニクス企業、ICT支援団体の調査を行うことを決めた。 そして、地方企業における人材の確保と育成策を中心としたインタビュー調査の共通項目を決定し、調査対象となった企業・団体に対する予備調査あるいは本調査を実施した。中小企業の人材形成の調査の先には、中小企業の雇用システムの解明という目的がある。その目的のためには、オープンシステムとしての企業が外部環境からの影響を直接的に受ける採用活動と経営戦略に注目することが必要であることを確認した。 最後に、調査結果をフィードバックさせながら、地方中小企業の雇用システムを明らかにするための理論枠組みの検討を進めた。理論枠組みは、大別すれば、事例分析の方法論と分析結果の類型論に分けられるが、事例分析の方法論の開発に注力した。検討の結果、次の点へ注目することを確認した。第一に、企業の人材育成と外部の学習機会の境界や連携に注目することである。企業内の人材育成に関しては、「組織モード」という概念を用いて、技能形成を促進する情報システムとインセンティブシステムを明らかにする。第二に、採用活動を分析することを通じて、企業を取り巻く労働市場のあり方を理解しようとする。第三に、経営戦略を分析することを通じて、企業を取り巻く製品市場のあり方を理解しようとする。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度は、地方中小企業の雇用関係を分析するための理論枠組みを構築した。また、各県の調査の進捗状況は以下の通りである。 岩手県においては、精密機器、コンピューター関連製品、医療機器、半導体関連装置等の製造を行う企業に聞き取り調査を実施した。経営者、総務課の担当者への聞き取り調査を通じ、新卒・中途採用それぞれの人材確保の状況や、人材に求められる能力・知識、人材育成の課題と制度に加え、公的職業訓練の活用状況、他社との交流等を通じた企業間における情報交換の実態について明らかにすることができた。 長野県においては、精密機器の製造を行う企業を中心に人材確保と育成について聞き取り調査を行った。人事担当者への聞き取り調査からは新卒・中途採用の状況や、人材育成育成の制度、退職者数や離職理由などについて明らかとなった。離職者数そのものは少ないため、これに関しては大きな課題とは感じていないということであったが、さらに低減に努めたいとしていた。 香川県においては、エレクトロニクス企業、小売業労働組合に対する本調査、手袋企業に対する予備調査などを行った。エレクトロニクス企業においては、経営者、人事部門、開発部門、製造部門などの多様な部門への聞き取りを行うことができ、同社の人材の確保と育成を体系的に明らかにすることができた。内部育成を進めるが、グローバル人材については限界を持っていることも明らかになった。 沖縄県においては、沖縄の戦略産業であるICT分野の人材確保と育成に関する調査を行った。2024年度は一般財団法人ITイノベーション戦略センターと那覇市商工農水課への聞き取り調査を行い、企業外部におけるIT人材の確保と育成に係る取組や支援制度について明らかにした。沖縄県が掲げるICT分野への期待に反して、高度なIT人材の育成には課題があることも垣間見えた。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、選定された企業の予備調査及び本調査を進めながら、分析結果を解釈するための類型論を構築する予定である。また、前年度調査において、中小企業の人材確保と育成においては、働き方改革の推進が重要であること、労働組合が人材育成に積極的に関わる事例などが発見されたので、これらについても調査を進めていく。 岩手県においては、公的職業訓練を活用した人材育成に取り組む企業への聞き取り調査も実施する。前年度に聞き取り調査で集めた事例も踏まえ、企業内外における人材育成の現状と課題を分析する。さらに、それらの企業がどのような人材育成を行っているのかについて類型化を試みる。 長野県においては、精密機器製造業への本調査を実施し、さらに伝統産業である信州味噌を製造する企業への予備調査を予定している。これにより、地域特性の明確化に努めたい。 香川県においては、手袋産業と小売業労働組合への本調査、および機械メーカーや建設会社への予備調査を計画している。また、昨年度に実施した労働組合による人材育成の調査結果の分析を進める。 沖縄県においては、ICT分野における企業調査を行い、個別企業におけるIT人材の確保と育成の取組について明らかにする。また、昨年度に続き企業外部における取組と支援制度についても重ねて調査を進める。
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