研究課題
基盤研究(C)
通常、セルロースが溶解するような環境では原着糸製造は困難であるが、その解決策として本研究ではイオン液体中へ天然染料をセルロースと共に溶解し、湿式紡糸時に繊維の再生と染色も同時に行う、「イオン液体を用いた原着セルロース繊維」を開発する。具体的には染料の種類や工程の違いによる内部構造の変化を明らかにすることで、汎用性の高い手法を確立する。紡糸後に染色する手法と比較して工程が短縮されるのみならず、洗浄のために必要な水の量や排水中に溶脱する染料が削減されることから、持続可能性が向上する。さらに、水に溶解しない天然染料をイオン液体に溶解させてセルロース繊維へ原着させることから、堅牢度の向上が期待される。