本研究の目的は、国王親政体制下(1960~1990年)のネパールにおける国民教育制度の整備および動揺の過程を総合的に明らかにすることである。具体的には、1960年から1990年において、国民国家建設という目標を達成するために、いかなるネパール国民像が想定され、その国民の育成のためにいかなる教育制度および計画が構想され、その構想がいかに制度化されたかを、また、当該制度が1980年代においていかに動揺し1990年代の改革へ影響を与えたかを通史的に追究する。その際、特定の教育段階ないし領域計画・政策の内容を解明しつつ、その相互連関性に注目して、国民教育制度の計画および政策について総合的に追究する。
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