研究課題
基盤研究(C)
本研究は、1930年代から1940年代にかけての〈貫戦期〉へと焦点をあわせ、旧「児童虐待防止法」制度下で、不適切養育について、都市民衆がどのように規範を認識し、どう振る舞っていたのかを社会史・心性史の手法によってたどり、その歴史的特質の抽出を試みるものである。本研究では、次の3段階により、民衆心性の動態についておさえ、法制度をめぐる養育規範の社会史過程を検証する。ⅰ)当時の民衆の生活世界に関わる各種資料の調査・収集を進める。ⅱ)法制度の社会的位置づけなどの検証を行い、民衆心性が内包する歴史的特質を抽出する。ⅲ)〈貫戦期〉の児童虐待や不適切養育に対する法制度や規範の展開過程の描きなおしを試みる。