児童館(児童厚生施設は児童遊園と児童館をさす)は、児童福祉法(1947年)で新設された、子どもが任意で利用できる画期的な児童福祉施設である。同法成立時に厚生省児童局に保育課が新設され、児童館を所轄した。吉見静江保育課長の前職は興望館セツルメント館長であり、児童厚生施設をセツルメント型と説明し興望館着任前にアメリカで学んだセツルメントの児童クラブについて言及するなど、興望館での経験を基に業務にあたったとみられる。児童福祉法成立時の議論から児童館の構想を明らかにするとともに、吉見の言説を手掛かりに興望館の学童クラブと厚生省保育課が具体化した児童厚生施設を比較し児童文化の検討を重ねる。
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