数・量概念の獲得は,知的障害の有無にかかわらず,生活の質の向上させるうえで重要な学習課題である。しかしながら,知的障害児の数・量概念の獲得状況を客観的に把握するためのアセスメントを開発する研究はほとんどない。本研究では,知的障害特別支援学校に在籍する児童生徒を対象とした数量概念の獲得状況を把握するアセスメントを開発する。数詞・数字の獲得に依拠しない量理解を評価する検査として線等分課題を,数詞・数字の獲得に依拠する課題として数直線課題を採用する。定型発達成人と知的障害児を対象として課題遂行成績と使用方略について検討し,アセスメントが反映する認知能力とアセスメントの有用性について検証する。
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