研究課題
基盤研究(C)
1990年代の初めに,理論物理学における弦理論の研究から,カラビ・ヤウ多様体にミラー対称性と呼ばれる不思議な対称性が発見された.この対称性を理解するために,複素代数幾何学や微分幾何学といった既存の幾何学を横断的に結びつけて考える必要性が認識され,そこから新しい数学が数多く生まれて成功を収めている.一方で,ミラー対称性については未知な事柄が多く残されたままの状況にある.本研究課題は,このような状況下で理論物理学で成功を収めている「正則アノマリー方程式」を手がかりにして,ミラー対称性をモジュライ空間の幾何学とともに解明することを目指すものである.