研究開始時の研究の概要 |
本研究は, 解の初期値に関する連続的依存性や安定性に着目して, バナッハ空間における微分方程式系に対する適切性や近似可解性の研究を, 距離を用いて方程式の消散構造を捉える研究へと発展させ, さらに, ベクトル空間の枠を超える研究へと深化させるものである. 具体的には, 加藤理論に匹敵する退化方程式群の体系的な理解を目指す理論の構築, 変異解析を基盤とした距離空間における近似可解性理論の実現, 距離空間における自励系勾配流に関するAGS理論の非自励系への拡張を実行する. これらにより, 新たな潮流である線形構造を有しない空間における微分方程式の適切性及び近似可解性への体系的な理解を進める.
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