研究課題
基盤研究(C)
昆虫の大発生や絶滅のような,自然界にみられる個体数変動のパターンを説明する理論を構築することは,生態学における重要な目的の1つである.この目的のため,数理モデルは重要な役割を果たしてきた.しかし,古典的な生態系モデルの多くは,個体の年齢や発育段階等の同種内の構造を無視している.そのため,同種内の構造が個体数変動に決定的な影響を及ぼす場合には,現象の本質をとらえることが出来ない.本研究では,同種内の構造を考慮した生態系モデル(構造化生態系モデル)の研究を進め,生態学の具体的な問題に応用可能な理論の構築を目指す.特に,競争モデルの数学解析を進め,種の入れ替わりを説明できるような理論の構築を目指す.