研究課題
基盤研究(C)
量子スピン系の研究舞台として、f電子系化合物は近年その存在感を高めている。幾何学的フラストレーションを内包する2次元系では、量子スピン液体状態の実験的な探索が精力的に行われているが、確かな決着のついた物質は未だ存在せず、現状では全て候補物質の段階でとどまっている。そこで、スピン液体状態の存在が確立している1次元系と、探索が続いている2次元系のクロスオーバー領域の調査を行う。擬1次元系と位置づけることができるf電子系梯子格子物質の純良な単結晶試料育成と基礎物性測定、低エネルギー領域の磁気励起の観測を通して、複雑な2次元系の理解への足がかりとする。