| 研究課題/領域番号 |
24K06955
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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| 研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小畑 由紀子 金沢大学, 数物科学系, 特任助教 (70826255)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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| キーワード | 薄膜作製 / ヘテロ界面 / 鉄系超伝導 / 磁性 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は高品質なFeSe/Feヘテロ界面作製技術と、磁場下で物質中の電子状態を原子レベルで知ることができるSTM/STSを組み合わせ、低温磁場中のFeSe/Feヘテロ界面においてスピン偏極した超伝導状態すなわちFFLO超伝導の探索を行うことである。特に、原子分解能で最低温度50 mKまで到達可能な希釈冷凍機と最大磁場14 Tを印加できるスピン偏極走査トンネル顕微分光(STM/STS)を用いて、FeSe/Feヘテロ界面における超伝導渦糸状態解析および準粒子干渉の解析を行い、FFLO超伝導を本質的に特徴づける有限の運動量qベクトルの決定を行う。
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的である鉄系超伝導体FeSeと磁性薄膜ヘテロ界面にてスピン偏極した超伝導状態を検出するために、研究計画当初の重要課題として共同研究先で作製した薄膜試料を申請者の所属先STMに搬送するプロセスで試料表面劣化の問題が存在した。この問題の対策として試料搬送後に超高真空下でFeSe薄膜試料の平滑で清浄な表面処理を最初に検討していたが、成功例が極めて少ないため代替策が必要であった。そこで表面処理問題の根本解決策として、1年次は走査トンネル顕微鏡(STM)に連結させる超高真空薄膜作製チャンバーの設計と立ち上げを行った。これにより、薄膜試料作製後に大気暴露することなく超高真空中で清浄な表面を保持したまま試料をSTMヘッドへ搬送するシステムが整備された。この整備により表面処理の課題を克服し、試料作製後にスムーズにSTM実験を開始できる環境が整った。よって、STM実験の成功を目指す上で重要な進展となった。 現在までに薄膜作製チャンバーの正常運転を開始し、分子線エピタキシー法によりMgO基板上にFeSeと強磁性体FeおよびFeSeと反強磁性体Mnのヘテロ薄膜作製を進めてきた。これらの試料評価はRHEEDによる表面構造解析、XRDによる面直と面内の構造解析、AFMによる表面形状評価でおこなった。これらの成果について日本物理学会の年次大会にてポスター発表、日本物理学会北陸支部定例学術講演会にて口頭発表、および放射光の国際ワークショップにて招待講演を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は1年次に共同研究先の東京科学大学・平松研究室にてヘテロ薄膜作製を行い、申請者の所属大学に試料を搬送してSTM実験を行う予定であったが、予定を変更し申請者の所属先で薄膜作製チャンバーを新たに立ち上げ直接STMへ連結させることにした。この変更は、STM実験に不可欠な清浄な試料表面を保持した搬送を最も確実に行うシステムを確立するためである。この予定変更によりSTM実験の開始時期を延期したため、進捗がやや遅れている。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後はFeSe/FeおよびFeSe/Mnヘテロ薄膜の電気抵抗の温度依存性評価をPPMSで行い、超伝導と磁性および反強磁性との共存を確認する。その後、ヘテロ薄膜を超高真空下でSTMヘッドへ搬送し磁性探針によりスピン偏極したFeSeの磁気秩序をSTMで観察する。最終的に、試料に対し面直に印加したパウリ極限14Tの磁場中でスピン偏極した超伝導状態をトンネル分光で評価する。
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