研究課題
基盤研究(C)
電子・正孔対のボーズ・アインシュタイン凝縮状態である励起子絶縁体は、理論的にその存在が予言されているものの、実験的には未解明である。本研究で対象とするSmSは、励起子絶縁体の候補物質の1つである。SmSは価数転移近傍に存在し、その相転移近傍で励起子不安定性が生ずる事が指摘されている。一方ごく最近、自発分極の存在が強く示唆される実験結果が得られると共に、励起子の生成に必要なオンサイトの混成効果によって生じる対称性の低下が議論され始め、強誘電性と励起子絶縁体の関連が注目されている。本研究は、SmSの誘電特性とその外部圧力効果を調べることで、強誘電励起子絶縁状態の実験的探索を行う。