研究課題
基盤研究(C)
「励起子絶縁体」(EI)とは、電子-正孔(e-h)間の引力相関に起因してエネルギー・ギャップを生じた、特異な絶縁体である。1960年代に理論予測されながら現実物質でのEI同定は長年なかったが、近年Ta2NiSe5やTiSe2をEIと同定する報告が相次いでいる。本研究では、高圧での赤外分光実験により、EI候補物質Ta2NiSe5の関連物質およびTiSe2の光学伝導度σ(ω)を高圧・低温で詳しく測定する。そして、σ(ω)に現れるエネルギー・ギャップの特徴的な圧力応答に基づき、これら物質のギャップ形成におけるe-h相関の寄与を見極め、EI物質の存在を実証することをめざす。