研究課題
基盤研究(C)
高強度電磁場環境にある電子・陽電子・光子からなる系の集団現象は、プラズマ物理学と非線形量子電磁力学(QED)の融合で、はじめて議論できる。高強度レーザーパルスを集光することで、このような環境を実験室内に実現できるようになった。理論的には粒子集団を輸送方程式で表現することになるが、従来法は古典論的輸送方程式の衝突項に非線形QEDによる散乱断面積を代入したに過ぎず、その理論的正当性は不明であった。そこで非線形QEDという第一原理から出発して、衝突断面積と輸送方程式を一度に矛盾なく定式化する手法を提唱し、非線形QEDとプラズマ理論の融合、すなわち、非線形QEDプラズマの輸送方程式の定式化を目指す。