| 研究課題/領域番号 |
24K07173
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寺川 寿子 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30451826)
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| 研究分担者 |
浦田 優美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (80780452)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2028年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2027年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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| キーワード | 応力 / 摩擦係数 / 応力逆解析 / 弾性歪エネルギー / 地震 / 動的破壊シミュレーション / 歪変化 |
| 研究開始時の研究の概要 |
従来,「絶対応力」を拘束する情報として,大地震前後の応力の向き変化,動的破壊過程の再現性,地震で解放される弾性歪エネルギー(偏差応力テンソルの関数)の総変化量(ΔEs)等が用いられてきた.2016年熊本地震震源域においては,前述した3つの物理量に基づいた絶対応力の推定がなされてきたが,統一的な見解が得られていない.本研究では,絶対応力場のモデリングを軸に,モデルからの予想を膨大な地震・地殻変動データの統計解析及び動的破壊シミュレーションを組み合わせ,熊本地震震源域の絶対応力レベルを推定する.
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| 研究実績の概要 |
実効摩擦係数μ'をパラメータとした絶対応力6成分のモデリングを軸に,2016年熊本地震による弾性歪エネルギーの変化量と地震前後の応力の向き変化の両方を評価し,理論から予想される物理量の変化を観測データからの推定値と比較し,地震発生前の背景応力場の偏差応力レベルを調べた. 地震によって解放される弾性歪エネルギーΔEの大部分は剪断歪エネルギーであり,これは地震前の偏差応力レベルが高いほど大きくなる.ΔEの一部は地震波放射エネルギー(観測値)として消費される必要があることから,μ'= 0.03のモデルでは地震前の偏差応力レベルが低すぎて観測データを説明できないことがわかった. 次に,熊本地震前後の絶対応力場を比較し,理論的な応力の向きの時間変化を調べた.一方,CMTデータインバージョン法により1996.1~2019.4に発生した実際の地震のメカニズム解を解析し,熊本地震前後の応力の向きの時間変化を調べた.本震で大きく滑った領域に着目すると,実効摩擦係数が大きいモデルほど,逆解析の結果と理論モデルの結果が合うことが分かった. これらの分析の結果,この地域の地殻のμ'は0.15から0.3程度であり,深さ10kmでの偏差応力の大きさは,布田川断層で37-65 MPa,日奈久断層で39-70 MP程度である.これは従来の応力インバージョンによる研究で見積もられてきた値(μ'< 0.1)よりも有意に大きい.また,余震のデータセットの中に,応力場のモデル化に含まれていない要因で発生した地震が数パーセント含まれており,これらは応力の時間変化を過大評価し,偏差応力レベルを過小評価する原因となることもわかった. このように,本震前後の震源域の応力場の時間変化はμ'に依存する.中小地震活動の時間変化に基づき,μ'を推定する研究も進めた.
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
μ'をパラメータとした絶対応力6成分のモデリングを軸に,熊本地震による弾性ひずみエネルギーの時間変化と応力の向きの時間変化に着目し,地震前の背景応力場の偏差応力レベルを推定する研究を論文として出版した.この結果によれば,本震後の震源域の応力場は,背景応力場のレベルの情報を含んでいる.R6年度までに得られた絶対応力モデルを基に,弾性歪エネルギーに基づく地震破壊規準を用いて,中小地震の活動度変化からも,背景応力レベルの情報を調べる研究を進める目途がたった.
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| 今後の研究の推進方策 |
R6に得られた絶対応力モデル(μ'の異なる複数モデル)の下で,熊本地震の本震の応力変化に対する弾性歪エネルギー(Es:剪断歪エネルギー,Ev:体積ひずみエネルギー)に基づく新しい地震破壊規準(Energetics-based Failure Stress, EFS)の変化(ΔEFS)を用いて震源周辺域の地震活動度の変化を評価する. 次に,実際の地震データ(JMAカタログ,期間:1997.1~2024.12)から,熊本地震前後の地震活動度の変化を評価する.地震の発生は,震源域の応力状態だけでなく,そこでの間隙流体圧にも支配される.本研究では応力場を反映する地震活動に注目していることから,間隙流体圧に支配されて発生した地震のデータは結果に偏りをもたらす可能性が高い.ΔEFSに間隙流体圧の変化の影響を取り入れることは理論的には可能だが,実際に間隙流体圧の変化を正しく見積もること容易ではない.そこで,クラスター解析の手法(Zaliapin and Ben-Zion, 2013)を用いて,間隙流体の影響で発生した地震を取り除くことを目指す.具体的には,地震データを単独地震とクラスター地震に分け,クラスター地震については,最も規模の大きなものを本震とし,それより前に発生した地震を前震,後に発生した地震を余震として分類する.余震や前震の発生には,間隙流体圧の変化が重要な役割を果たすことが指摘されている.そこで,単独地震と本震は応力状態を反映するとして,地震活動度の変化を評価する対象とする.地震活動度の変化について,観測データから得られた結果と理論モデルから得られた予測を比較し,地殻の絶対応力状態について議論したい.
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