研究課題
基盤研究(C)
太古代堆積岩中の炭質物の研究は,地球の初期生命史を解明するための最も直接的かつ確実な方法である。しかし,炭質物が生物起源か非生物起源かの解釈を巡っては論争が続いている。本研究は,炭質物の結合状態,特に水素や窒素と炭素の結合に着目し,最新の顕微分光法によって岩石薄片中の炭質物が有する熟成度と化学結合状態をマイクロスケールからナノスケールの空間分解能で明らかにすることで,炭質物が生物起源か非生物起源かを検証する有力な指標を得るための方法論の開発を目的とする。そして、地質学・鉱物学・炭素同位体等の地球化学的情報と統合して、太古代堆積岩中の炭質物の生物起源性を検証する。