| 研究課題/領域番号 |
24K07220
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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| 研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
小島 朋久 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (70802734)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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| キーワード | メカニカルメタマテリアル / 衝撃吸収 / 応力波 / フラクタル構造 / 動的材料特性 |
| 研究開始時の研究の概要 |
カーボンニュートラルの実現や航空宇宙産業のさらなる発展のために,輸送機器を代表とする構造物の衝突安全性能を支配する材料への要求は厳しくなっており,軽量で優れた耐衝撃性を有することが求められている.本研究では,異なる大きさのユニットを階層的に配置するフラクタル構造に圧力波/応力波が入射した際に発現するエネルギトラップ効果のメカニズム解明と,衝撃エネルギ吸収へ応用する際のセル構造設計の基盤学理の構築に取り組む.これにより高速衝突や爆発事故,さらには津波などの被害低減にも適用可能な,超軽量かつ従来に無い優れた緩衝性能を発現する新規メタマテリアルを創製することを目指す.
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| 研究実績の概要 |
本研究では,階層構造の一種であるフラクタル構造に圧力波が入射した際に発現することが報告されている「エネルギートラップ効果」のメカニズムを解明し,これを衝撃エネルギー吸収に応用するためのセル構造設計に関する基盤学理の構築を目指している.最終的には超軽量かつ優れた衝撃吸収材料の創出を目標としている. 本年度は以下の2点に重点を置いて研究を進め,それぞれの目標を達成した. 1.フラクタル構造における応力波伝播の数値解析:フラクタル構造の一例であるメンガーのスポンジに衝撃負荷を加える数値解析を実施した.モデルは入射棒および透過棒を用いてメンガーのスポンジに圧縮応力波パルスを伝播させる方式とし,フラクタルのオーダーを1から3まで変化させて解析を実施した.その結果,構造内部における応力波の伝播挙動を明らかにするとともに,フラクタルのオーダーが高くなるにつれて反射波の振幅が増大し,透過波の振幅が減少する傾向を確認した. 2.圧力波を利用した衝撃試験装置における入力波成形手法の提案:円管内に封入した水に衝撃負荷を加えることで生成される水中圧力波を利用した衝撃試験装置において,負荷時のひずみ速度を一定にするために入力波を矩形波に成形するための手法として,固体材料の変形を利用したパルスシェイパーの選定方法を提案した.具体的には,打撃棒による衝撃を管内の水へ伝達する固体ピストンの運動方程式を用いて,水中に矩形圧力波を生成するために必要なパルスシェイパーの材料特性を導出する方法を提案した.パルスシェイパーには3Dプリンタにて造形したマイクロラティス構造を用いることとし,異なる構造のユニットから成るマイクロラティス構造の動的圧縮特性を調査した.その結果,所望の応力ひずみ関係を持つマイクロラティス構造のユニット構造を同定するための十分なデータを取得することができた.
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度,研究代表者が研究機関を異動したことに伴い研究環境の整備に時間を要したため,研究の進行に遅れが生じた. 数値解析においてはソフトウェアライセンスの移行が遅れたことにより,当初予定していた2次元解析の実施や複数種類のフラクタル構造の検討には至らなかったものの,基礎となる1種類のフラクタル構造について,衝撃負荷により生じる応力波の伝播挙動およびフラクタルのオーダーの変化に伴う特性を明らかにし,当初の目標は達成した. 実験面では実験室の整備および試験装置の移設・基礎構築に時間を要したため,装置の製作が遅れ,パルスシェイパーの選定には至らなかったものの,矩形圧力波を生成するためのパルスシェイパーの材料特性を導出する方法を提案し,さらにマイクロラティス構造の動的圧縮試験データを取得することで,必要なユニット構造の同定に向けた十分なデータを得ることができた. 当初予定していた理論解析については研究環境整備の影響により準備のみにとどまり,本格的な実施は次年度に行う予定である.
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度は理論解析・数値解析・実験の各側面から以下のように研究を推進する. 理論解析:等価回路モデルを用いてフラクタル構造内部の波動伝播に1次元波動伝播理論を適用し,力学モデルを構築する.本年度の数値解析結果を用いてモデルの妥当性を検証し,入射応力波の低周波成分を効果的に減衰させるフラクタル構造の設計を行う. 数値解析:本年度構築したモデルを基に,同じ相対密度とトポロジーを持つ均一な多孔構造について解析を実施し,フラクタル構造の効果を明確化する.また,理論解析に基づいて設計した構造についても解析を実施し,応力波伝播および衝撃変形・破壊特性を評価する. 実験:本年度提案した手法に基づきパルスシェイパーを作製し,試験装置に実装して実験を実施する.
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