研究課題
基盤研究(C)
本研究では,ミクロ組織の異なる種々の実用鋼の水素拡散係数を様々な水素濃度において取得し,トラップサイトにおける水素占有率が低い条件でも水素拡散係数が水素濃度に依存する,従来手法では説明困難な実験結果を示す.さらに,実験結果を合理的に説明するため,複数のトラップサイトのトラップ水素が同時に水素拡散に関与し,水素濃度に応じてトラップ水素の寄与度が変化する新たな理論(マルチトラップ効果)を導入した独自の手法を提案する.この手法の妥当性を,網羅的な水素拡散実験と複数のトラップサイトを同時に考慮した拡散方程式の数値解析から検証する.