| 研究課題/領域番号 |
24K07582
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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| 研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
廣芝 伸哉 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (40635190)
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| 研究分担者 |
小池 一歩 大阪工業大学, 工学部, 教授 (40351457)
小島 広孝 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70713634)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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| キーワード | 強誘電薄膜 / チエノチオフェン / 薄膜成長 / メモリ / 有機デバイス / FET |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、チエノチオフェン系有機半導体としてDNTT,C8-BTBT,C10-DNTTの3種類について作製条件の探索、最適化を行う。Hf0.5Zr0.5O2上および比較としてSiO2上での薄膜形成過程を明らかにする。また、絶縁上での薄膜形成プロセスにMDシミュレーションを適応し、実験結果の比較により物理パラメータを決定する。 これらの知見を適応し再現性良くFeFETデバイス作製し、分子配向・結晶性と移動度、On-Off比などのデバイス特性、強誘電性とメモリ特性を比較する。このように系統的なデバイス評価を行い、今後のメモリデバイスとしての応用可能性を探る
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| 研究実績の概要 |
本研究では、チエノチオフェン系有機半導体薄膜を強誘電体ゲート絶縁膜(Hf0.5Zr0.5O2)上に作製し、分子配向・結晶構造と有機強誘電体ゲートトランジスタ(有機FeFET)デバイスとしての物性評価を行い、メモリデバイスとしての応用可能性を追求する。また、強誘電体絶縁膜上でのチエノチオフェン系有機半導体の核生成,薄膜成長過程を実験的に調査と同時に分子動力学シミュレーション(MD)計算を適応する事により、結晶成長過程を理論面からも体系的に明らかにする。 本年度は、異なるアルキル鎖長をもつチエノチオフェン系有機半導体である7-フェニルベンゾ[b]ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]チオフェン誘導体(Ph-BTBTーCn)を用いて有機メモリ応用を目指したHZOゲート絶縁膜上への成膜条件を探索し,デバイス作製に取り組んだ。また溶液法によるHfxZr1-xO2のゲート絶縁膜作製と構造評価や,対向ターゲットスパッタ装置をもちいたHf0.5Zr0.5O2のゲート絶縁膜作製と構造評価も並行して遂行し、原子間力顕微鏡(AFM)やX線回折(XRD)および放射光による2次元XRDなども併用して知見を深めた。
とりわけPh-BTBTを用いたHf0.5Zr0.5O2のゲート絶縁膜上へのFETの作製に成功した。強誘電性によるメモリ動作は確認できていないが、一方で従来のFETでは考えられない高伝導度を示し、界面近傍でのキャリアドープの可能性が示唆された。 これらの成果は,国際会議発表1件,応用物理学会などの学術講演会において3件の発表として成果報告を行った。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、異なるアルキル鎖長をもつチエノチオフェン系有機半導体である7-フェニルベンゾ[b]ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]チオフェン誘導体(Ph-BTBT-Cn)を用いて有機メモリ応用を目指したHZOゲート絶縁膜上への成膜条件を探索した。とりわけアルキル鎖長の依存性は見られなかったが、基板温度の影響によるモルフォロジー変化や結晶性の向上などを確認した。 また、FET構造を作成しデバイスとしての動作を確認した。残念ながら強誘電性によるメモリ効果は確認できなかったが、一方で、界面近傍でのキャリアドーピングによるものと推測される高伝導層が確認できた。これは当初の目的であるメモリ応用とは異なるが、HZO上での有機デバイス応用の新たな可能性を示すものであり,学術的にも新規性の高い現象であると思われ、更なる実験によって大きな発展が見込まれる。 また溶液法によるHfxZr1-xO2のゲート絶縁膜作製と構造評価や,対向ターゲットスパッタ装置をもちいたHf0.5Zr0.5O2のゲート絶縁膜作製と構造評価も並行して遂行した。 原子間力顕微鏡(AFM)やX線回折(XRD)および放射光による2次元XRDなども併用して知見を深めた結果、有機金属分解法(MOD法)でも比較的平坦(Rq~2nm程度以下)のHZO膜が作製できる条件を見出した。 当初の計画と異なるデバイス特性が確認されてはいるものの、実験計画はおおむね順調に進んでおり、なおかつ新しい知見も得られていることから,おおむね順調に進展していると判断した。これらの実験結果を踏まえ,今後はMD計算などとも検討を進め更なるデバイス化へ向けた基礎研究を進めていく予定である.
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| 今後の研究の推進方策 |
上述のとおり当初の計画と異なるデバイス特性が確認されてはいるものの、実験計画はおおむね順調に進んでおり、なおかつ新しい知見も得られていることから,おおむね順調に進展していると判断した。 とりわけ、初年度は限られた条件でのデバイスの試作を試みただけではあるが、2年目以降は初年度に得られたチエノチオフェン系有機薄膜の構造をデバイス物性のデータを系統的に比較し、デバイス物性の理解を進めていく予定である。 また,初年度には着手しなかった各種の表面処理や、表面改質による有機薄膜の精密制御を進め、より結晶性や平坦性などに優れた薄膜作製をおこなう。 また、2年目以降はこれらの実験結果を踏まえ,MD計算など理論的な考察と計算科学を援用した検討を進め、更なる成膜条件の精密化,最適化を進める。 これらに加え,初年度は観測されていない強誘電性FETデバイスとしての特性評価およびメモリへ向けた有機FeFETデバイスの作製を進めていく予定である.
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