研究課題
基盤研究(C)
現行の水害避難施策では,避難情報に関するガイドライン(内閣府)にも掲げられている「自らの命は自ら守る」の言葉に表されるように,自律した個人が標準的な避難主体として想定されている。本研究では,このような既存の概念に対し「自らの命を自ら『のみで』守れる人などいない」,というオルタナティヴを前提とした上で、ケアの倫理にもとづく避難施策の考え方や方向性について,実践科学として検討することを目的とする。具体的には,「最もケアが必要とされる人の避難ニーズの検討」と「人と人どうしの関係が避難行動にもたらす効果」というテーマを軸に,必要な事例収集,アンケート調査を行う。