研究課題
基盤研究(C)
本研究では、文化財建造物の保存修理の過渡的段階といえる大正から昭和初頭にかけて実践された保存修理手法およびその思想を明らかにし、文化財建造物の保存修理という概念を再考するための新たな枠組みを構築することをめざす。これまで殆ど注目されることのなかったこの過渡的段階の検証により、現在にまで続く近代的保存修理システムに内在する課題をはじめて明らかにすることができる。文化財保護概念が複雑化する昨今の状況の中で、この過渡的段階の検証は急務と考える。