研究課題
基盤研究(C)
ステンレス鋼は高い耐食性を持つが、酸化皮膜が損傷すると応力腐食割れを生じることがある。力学的負荷により酸化皮膜が損傷すると、新生面が現れて局部腐食が始まるが、新生面が不働態化できれば、腐食は止まる。本研究の目的は応力腐食割れの発生条件を解明することであり、新生面の電気化学特性が必要である。しかし皮膜損傷は極めて小さいため直接計測はできない。そこでマルチスケールの概念を用いて数値解析を援用することで、マクロな電気化学特性から新生面のミクロな電気化学特性を推定する。様々な電位で定ひずみ引張試験を実施し、マクロな測定結果から新生面の電気化学特性を明らかにした上で、応力腐食割れ発生条件を検証する。