| 研究課題/領域番号 |
24K08152
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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| 研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
金子 弘昌 明治大学, 理工学部, 専任教授 (00625171)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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| キーワード | 流体シミュレーション / プロセス設計 / 直接的逆解析 / 数値流体力学 / 機械学習 / オートエンコーダ / 潜在変数 / 低次元化 |
| 研究開始時の研究の概要 |
革新的な材料・装置およびそのプロセスを、数値流体力学・流体シミュレーションや実験を駆使して設計するため、原料条件・流路形状・初期条件・境界条件などのXおよび装置内の物理量(温度、圧力、流量など)の分布Yの間で数理モデルを構築し、理想的なYからそれを実現するXを高精度に提案するシステムを開発することを目的とする。流体シミュレーションデータから数理モデルを構築し、実施者が分子設計・材料設計において確立した直接的逆解析法を、高次元の数理モデルに適用できるよう抜本的にアップデートすることで目的の達成を目指す。さらに種々の装置・プロセスの流体シミュレーションへ展開して提案法を汎用化・高度化する。
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| 研究実績の概要 |
革新的な製品・装置およびそのプロセスを、数値流体力学(CFD)を駆使して設計し、それに基づいて製品・装置の実現および装置の運転・制御をすることにより、研究・開発・製造の自動的な最適化を達成するためには、理想的な製品(結果)を合成・製造するための装置・プロセスにおける各種の設定条件(原因)を予測する必要がある。本研究ではCFDの結果としての理想・目標Yから、それを実現するプロセス条件Xを導くことを目的とした。 従来の擬似的な逆解析では、各種条件および時空間分布(超高次元)を全て考慮した網羅的なXの候補の生成がそもそも不可能であり、CFDの真の逆解析は不可能である。そこで数理モデルに基づいてYの値からXの値を直接的に予測する、すなわちY=f(X)をX=g(Y)に変換する手法(直接的逆解析法)により目的達成を目指す。 直接的逆解析法を開発する際に大きな壁となるのは、直接的逆解析法を超高次元の多要素・時空間モデルに適用できるよう抜本的にアップデートすることである。特にY, Xの物理量の分布を考慮する必要があり、Y, Xそれぞれの次元が超高次元となり、直接的逆解析が全くできない。直接的逆解析法を適用するためには次元を1,000程度にする効率化を達成し、さらに構築したモデルの直接的逆解析を実現する必要がある。 本年度はディープオートエンコーダ(DAE)により X の数が膨大な場合における低次元化の検討を行った。スペクトルデータ、プロファイルデータ、時系列データといった多様なデータを用いて、トレーニングデータでDAEモデルを構築し、テストデータにおいてXから潜在変数への変換および潜在変数からXへの変換によって再構成して、その誤差を検討した。Xが100万もの膨大な数であってもすべてのデータにおいてDAEにより1,000以下の潜在変数に低次元化可能であることを確認した。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
スペクトルデータ、プロファイルデータ、時系列データといった特徴量Xが膨大な数になる可能性のあるデータセットを、ディープオートエンコーダ(DAE)により潜在変数Zに低次元化する検討を行った。仮想的にXの数を1万, 10万, 100万と変化させてスペクトル、プロファイル、時系列データそれぞれDAEのエンコーダでXからZに変換し、その後DAEのデコーダでZからXに変換したところ、Xの数によらず精度よくXを再現できることを確認した。さらに目的変数Yのあるデータセットに対して、ZとYの間で機械学習モデルを構築し、モデルの予測精度を検証した。テストデータの予測結果において、Xの数によらず機械学習モデルの予測精度はほとんど変化しないことを確認した。Xの数が100万もの膨大な数になってもDAEにより適切に低次元化できることを確認した。以上のことから研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
昨年度はディープオートエンコーダにより膨大な説明変数から少数の潜在変数に変換する手法を開発した。そこで今後は目的変数と合わせて直接的逆解析が可能な数理モデルの構築手法を開発する。 プロセス設計をする際、流体シミュレーションが活用されており、装置の形状や運転条件等のプロセス条件Xを変化させて流体シミュレーションを行い、結果である目的変数Yを確認することを繰り返し、Xを最適化する。プロセス設計を高速化する、すなわち少ない流体シミュレーションの回数でXを最適化するため、機械学習による数理モデルもしくはサロゲートモデルが活用されている。 流体シミュレーションの結果として、最適化したい情報が物理量の分布で与えられることがある。流速、温度、圧力、各成分の組成といった物理量に対して、機械学習におけるYを設定する際は、メッシュごとの物理量とする。これによりYの数は(物理量の数)×(メッシュの数) となり膨大である。モデルの順解析を繰り返す逆解析の場合、すべての y、すなわちメッシュのすべてにおいて予測値が目標を満たすXを探索することは困難である。例えば1つのYの目標を達成する確率が90%と高確率であったとしても、Yが100個あると、全てを達成する確率は0.9の100乗でおよそ0.003%になってしまう。モデルの直接的逆解析では、すべてのYの目標値から、Xの値を直接予測できるため、直接的逆解析でこそ流体シミュレーションの結果に基づいてプロセス変数を最適化できる。 本研究では流体シミュレーションにおける、サロゲートモデルを構築するためのデータセットを獲得するための最初の流体シミュレーション、サロゲートモデルの構築、サロゲートモデルに予測、サロゲートモデルの直接的逆解析を検討、各結果について議論する。流体シミュレーションの結果の可視化についても議論する。
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