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パワーデバイス応用に向けたGaNの点欠陥制御および絶縁膜界面制御の第一原理計算

研究課題

研究課題/領域番号 24K08270
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分30010:結晶工学関連
研究機関九州工業大学

研究代表者

制野 かおり  九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80980325)

研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード窒化ガリウム / 格子欠陥 / 密度汎関数理論 / 第一原理計算 / 原子拡散 / パワー半導体 / 半導体表面 / 計算物質科学 / 半導体 / 結晶工学 / 表面物性
研究開始時の研究の概要

パワーデバイスとして発展が期待されるGaNにターゲットを絞り、課題となっているp型GaNの作製および絶縁体界面制御の問題解決を計算科学的手法から行う。具体的には、第一原理計算により、GaN結晶中のドーパント不純物やその他の点欠陥、絶縁膜/GaN界面の形成機構およびその電子物性を明らかにしていく。計算には、現実の系のモデリングとして妥当な大きさの計算を行い、バンドギャップを従来の方法よりも正しく評価が可能なハイブリッド汎関数を用いるなど先端的なより精密な手法を用いていく。本申請課題は、GaNの既存のデバイスおよび次世代デバイスにおける微視的理解をコミュニティー全体に与えるものである。

研究実績の概要

初年度は、3つの目的のそれぞれについて部分的な解明を行った。
1つ目の目的である「p型GaN作製におけるMgイオン注入後のMg原子の拡散機構の解明」に関しては、vacancy機構での拡散原子であるMgが単純に隣接するGa空孔サイトに拡散することだけを考えるのではなく、拡散方向に再び空孔サイトが現れるためのペア拡散へと発展させた上で検討を行った。そのため、アクセプタ原子であるMgの拡散だけでなく、Ga空孔の拡散、つまり周囲のGa原子の拡散に関しても検討を行った。拡散経路を解明するためにNudged Elastic Band (NEB) 法を用いているが、一部の経路で収束性が悪い問題点に直面した。その解決としては、NEB法を拡張したCINEB法へと切り替えた。NEB法やCINEB法をハイブリッド汎関数でも試みているが、鞍点を過大評価する拡散経路がいくつか現れており、その原因は掴めていない。そのため、拡散経路においては通常の密度汎関数理論での近似で検討を進める。現在は、論文にまとめている段階にある。
2つ目の目的である「イオン注入がなされたMg原子の活性化における水素の影響の解明」については、先行研究でのGaN結晶中のMg-Hの複合欠陥の構造モデルでの計算を先行研究よりも大きな系を用い、スピンを考慮した一般化勾配近似の範囲内で計算を進め、系の大きさとスピンの有無に依存する結果が得られた。
3つでの目的である「SiO2/GaN界面の原子レベルでの構造およびその電子状態の解明」は、SiO2をどのように扱うかという点での検討を始めているところで、SiO2/Si界面での原子レベルの構造でも行われた初期酸化過程を考える方向性をまずは研究を進めている。3x3表面を用いて、Si原子の初期吸着構造の検討を本年度は行った。第1層をSiで覆われた表面上での酸化を考えており、Si原子層はある種のコーティングの役割を持たせ、GaO層の形成を抑制するかを検討したい。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

進捗状況の遅れの原因の一つとしては、拡散過程を考える際に、ペア拡散に拡張をして考えたことであるその際に、Ga原子空孔の拡散の計算をしたが、経路によっては収束性が悪いものが生じており、その検討で時間がかかっていた。また、NEB法でのハイブリッド汎関数法におけるプログラムの不具合に遭遇した可能性があり、その原因を考えるための時間を要した。

今後の研究の推進方策

本年度は、3つの目的のそれぞれについて、申請者自身および研究室の学生を研究協力者として並行に進めていく。
1つ目の目的である「p型GaN作製におけるMgイオン注入後のMg原子の拡散機構の解明」に関しては、vacancy機構での拡散原子においてはMg原子の拡散が結晶を構成しているGa原子やN原子の拡散、つまりそれぞれの原子空孔の拡散よりも起こりやすいことが確かめられつつある。そうなると、Mg原子がvacancy機構での拡散で行ったり来たりの拡散経路となるため、キックオフ機構やinterstitial機構に移行できる拡散経路を検討していく。
2つ目の目的である「イオン注入がなされたMg原子の活性化における水素の影響の解明」については、現時点での解析に加えてハイブリッド汎関数での検討を進めていきたい。また、現在得られている結果のさらなる検証を行う方向で進めている。複合欠陥のバリエーションを増やしていきたいと思う。例えば、空孔がdivacancyとして存在しうるのか、もしくはH2としての存在があるのかという点を探る。そのため、現時点での実験研究の流れを改めて見つめていく。
3つでの目的である「SiO2/GaN界面の原子レベルでの構造およびその電子状態の解明」は、GaN表面が表面再構成を行った界面をスタート地点としたらどうなるのかという点を考えたい。中間層であるGaO層を想定しての界面研究ではなく、SiO2/Si界面の研究や、まだ完全解明の途上段階であるSiO2/SiC界面の研究をヒントに、表面科学からの視点で進めていく方向でこの機構の解明を考えている。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 第一原理計算による次世代パワー半導体材料の原子レベルの構造および動的機構の解明2024

    • 著者名/発表者名
      制野かおり
    • 学会等名
      2024年度 日本鉄鋼協会/日本金属学会 九州支部 春季講演会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2024-04-05   更新日: 2025-12-26  

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