研究課題
基盤研究(C)
複数の触媒が同一系内で機能すれば、単独の触媒では成し得ない高度な分子変換が実現できる。本研究ではPickeringエマルションで反応系内を区画化する、多触媒反応の新たな設計戦略を提示する。不斉合成法の一つである動的速度論的光学分割 (DKR) を例に、次の2つの反応によって本戦略の実行性を検証する: (1) R 体選択的な天然リパーゼを用いる逆エナンチオマー の合成 (2) 光学活性な第三級アルコールの合成。従来では組み合わせられなかった触媒をPickeringエマルションにより集積化するDKRによって、医農薬など精密化成品の開発に不可欠なアルコールの効率的不斉合成を実現する。