研究課題
基盤研究(C)
ケイ素を含む生物活性分子の中には,炭素類似体よりも細胞浸透性や生物活性が高い特徴を持つものがある.そのため,機能性有機分子内の炭素をケイ素で置き換えて,その分子の新たな機能発現を探索する研究が注目されている.本研究では,直接的なC-H結合の変換(C-H活性化)を起点として,原料に含まれる原子がすべて生成物に取り込まれる無駄のない分子変換反応により,ケイ素を含む環状化合物の新たな立体選択的な合成法を開発する.C-H結合の直接アルキル化による不斉点の構築とC-H結合の付加と環化によって,従来に類例のない「C-H活性化を制御した分子変換反応」の新たな可能性を切り拓く.