| 研究課題/領域番号 |
24K08587
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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| 研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
向山 義治 東京電機大学, 理工学部, 教授 (90339078)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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| キーワード | リチウム酸素電池 / シミュレーション / 放電反応 |
| 研究開始時の研究の概要 |
低炭素社会にむけて、より高容量な二次電池の研究が進められている。中でも、リチウム酸素電池(LOB)は、理論的に最も高い重量エネルギー密度をもち、“究極の次世代二次電池”と称されている。しかし、現時点では様々な課題があり、高い放電容量と良好なサイクル特性の両立ができていない。その主な原因は放電生成物である絶縁性の過酸化リチウム結晶が正極内に堆積するためであり、正極内の状態(過酸化リチウムの堆積状態と正極活物質である酸素の濃度)の時空間発展と電池のサイクル特性の関係を知ることが取り組むべき課題である。そこで、本研究はこの課題に取り組むため、従来よりも高精度なシミュレーションモデルを構築する。
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| 研究実績の概要 |
低炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入とともに、高性能な蓄電池の開発が急務となっている。中でも、リチウム酸素電池(Lithium-Oxygen Battery、以下LOB)は、理論上最も高い重量エネルギー密度をもち、“究極の次世代二次電池”と称させている。しかし、現時点では実用化に向けては多くの課題が残されており、高い放電容量と良好なサイクル特性の両立ができていない。その主な原因は放電生成物である絶縁性の過酸化リチウム結晶が正極内に堆積するためであり、正極内の状態(過酸化リチウムの堆積状態と正極活物質である酸素の濃度)の時空間発展と電池のサイクル特性の関係を知ることが取り組むべき課題である。この課題に取り組むため、本研究は従来よりも高精度なシミュレーションモデルを構築することを目的とする。 LOBの放電中、放電生成物の結晶成長は2次元的もしくは3次元的に進行するが、従来のモデルはそれらが電極の有効面積に等しく影響すると仮定していた。そこで、本年度はそれらを区別する方法を検討した。まずは、3次元的な結晶成長が電極の有効面積に与える影響を定量化するために、放電後における正極表面のSEM画像を解析した。さらに、その影響をシミュレーションに反映させるためにモデルの改良に取り組んだ。ただし、現時点では画像解析の方法に課題があり、高精度なシミュレーションの完全な実現には至っていない。今後は、画像解析技術の高度化とモデルパラメータの信頼性向上を通じて、さらなる精度向上を図る予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、LOBの性能向上を目指し、新たなシミュレーションモデルの開発を進めている。まず、放電生成物の3次元的な結晶成長が電極の有効面積に与える影響を定量化するため、放電後の正極表面のSEM画像を汎用画像解析ソフトImageJで解析した。その結果、3次元成長の影響を定量的に評価できることが確認された。また、放電試験のシミュレーション精度が画像解析の精度に大きく依存することも明らかとなった。現状の画像解析手法には限界があり、高精度なシミュレーションを実現するためには、高精度な画像解析技術の導入が求められる。 放電反応には2つの経路が存在することが知られており、本研究の画像解析によりその割合を算出することにも成功した。加えて、シミュレーションに用いる反応速度定数や拡散係数などのパラメータの信頼性も重要であることが判明した。これらの成果と課題の明確化により、本研究はおおむね順調に進展していると判断される。
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| 今後の研究の推進方策 |
高精度なシミュレーションが実現すれば、LOBの性能向上に向けた具体的な設計指針の提示が可能となる。そのためには、画像解析の精度向上とモデルパラメータの信頼性向上が不可欠である。今後は、機械学習を活用した画像認識技術によりSEM画像の解析精度を高めるとともに、第一原理計算および遷移状態理論を用いて反応速度定数を算出する。また、機械学習ポテンシャルを用いた分子動力学計算により、各種反応種の拡散係数を求める。これらの取り組みにより、モデルのパラメータの信頼性を向上させ、LOBの充放電サイクルを高精度に再現するシミュレーション手法の確立を目指す。また、予定通り、正極内部の局所構造を模倣したモデルの用意を進めるとともに、電池の構成要素(負極、セパレータ、正極)を全て考慮したフルセルモデルを構築していく。
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