研究課題
基盤研究(C)
昆虫に感染するウイルスの多くは食べ物とともに口から侵入し、最初に宿主昆虫の消化管(中腸)に感染する。中腸から全身へと感染を広げるためにはまず宿主昆虫の体中を循環する血リンパ液中へと移動する必要があるが、そのためには基底膜と呼ばれる中腸を包む膜が大きな障壁となる。本研究では「バキュロウイルスのARIF-1タンパク質が感染細胞に浸潤突起と呼ばれる突起を作らせることで中腸基底膜に穴を開け、ウイルス粒子が血リンパ液中へと通り抜けられるようにしているのではないか」という仮説に基づいて、共焦点顕微鏡および3次元電子顕微鏡観察をベースとした解析により仮説の検証を行う。